民話と紙芝居の家                          

   絵巻物と紙芝居について

   
     この絵は『源氏物語絵巻』の「東屋」の絵で、描かれたのは、紫式部が『源氏物語』を書いてから100年余り後、
   12世紀前半の日本で一番古い絵巻物です。
    二条院の中君のもとに身を寄せた異母妹の浮舟に、中君は絵物語を見せ慰めています。1枚に1つの完結した
   絵が描かれ、言葉は別の用紙に書かれており、次女の右近が物語を読み、浮舟は別冊になった絵を楽しんでい
   ます。この「東屋」は、絵巻物の見方の実態を示す貴重な絵巻です。


    また、この絵巻物は、巻き取りつつ展開を楽しむ動的絵画ではなく、手を止めてじっくりと観賞する性的絵画であ
   えい、人物も動きを止めています。これを「段落型絵巻」といいます。紙の巾も、ちょうど両手を広げてゆったりと見
   られるように、横巾が48センチに収まっています。心慰める芸術性においても、手に持てる巾といい、今の時代の
   紙芝居に似ています。
    その後、『伴大納言絵巻』や『新貴山縁起』などの有名な絵巻物語が生まれました。
    これらの絵巻は、用紙の寸法に関わりなく、前半分に描きとめられた場合には後半分に言葉があり、言葉が先
   にあれば、後半分に絵があります。これを「連続式絵巻」と呼び、左手で押し広げ、右手で巻き取りながら1人で楽
   しむように作られています。
    この様式は、巻き取りに従って絵が次から次へと画面を連続展開する、今のアニメーションに近い動画であり、
   躍動的に描かれた人物も繰り返し登場します。
    このように日本の伝統文化である絵巻物は『源氏物語絵巻』のように静的絵画をじっくり見せるものもあれば、
   『信貴山縁起』の動的アニメーションのように絵に動きをいれるものもありました。
    絵巻物は世界のどこにも見られない日本独特の文化です。その技法を取り入れた紙芝居も日本だけに発達した
   ものです。紙芝居には、日本の伝統文化を示す絵巻物語の技法がたくさん取り入れられています。また、世界を
   リードしている日本のアニメーションも、絵巻物という文化の下地があったからこそと考えられています。
 

絵巻物と紙芝居について   絵巻物の見方  絵巻物装置『竹取物語』  写し絵 
のぞきからくり  立ち絵  小さな平絵の紙芝居 
 




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