お知らせBLOG

猿ヶ京ホテル再発見 その2 意外と景色が良いのは?

SONY DSC

カヤックが楽しめる赤谷湖



思いがけなく「山紫水明」の景色を満喫!?
猿ヶ京温泉と聞いても写真を見たこともないので、来てみたら意外に景色が良いので驚かれたお客様も少なくありません。
ふだんみなかみ町と言うと谷川岳一の倉沢の大岩壁、利根川のラフティング、バンジージャンプなどの写真がクローズアップされています。赤谷湖のほとりに温泉施設が立ちその背後に整然と谷川連峰が聳えると言う稀有のロケーションを持つこの猿ヶ京温泉の地域のことは忘れられがちです。
以前、猿ヶ京温泉を通っている国道17号線は昭和32年(1957)に三国トンネルが開通して以来、東京都中央区日本橋から新潟市を結ぶ首都圏と日本海側を縦貫する一級国道でありました。ほぼ気を一にして昭和34年(1959)に相俣ダムの完成によりできた赤谷湖のほとりにあった猿ヶ京温泉は大変栄えました。しかし国道17号線は1985年の関越自動車道全線開通により、群馬県新潟県を結ぶ唯一の幹線道路としての役割を終えました。新潟県に行くのに猿ヶ京を通らなくても行けるようになりました。
その間赤谷湖レイクリゾート構想により、湖の周りの整備が躍進的に進みました。赤谷湖記念公園、湖畔遊歩道、カッパ公園、西川自然観察の森などが整備され、現在は町や地元の人たちによって清掃や維持がされています。
猿ヶ京温泉を愛する地元の人たちと一緒になって、猿ヶ京ホテルとしてこの景観を後世に伝えていきたいと思います。

参考に猿ヶ京温泉の立ち位置について
1、 上信越高原国立公園
2、 みなかみユネスコエコパーク
3、 ダム湖百選
4、 谷川連峰
を中心にひも解いてまいりましょう。

1、「上信越高原国立公園」は昭和24年(1949)9月7日指定されています。
そのキャッチフレーズは、「山と高原が彩るレクリエーションワールド」です。
環境省_上信越高原国立公園

・指定:昭和24年9月7日 面積:148,194ha 群馬県、新潟県、長野県
山岳と高原からなる広大な公園です。谷川岳など日本百名山の名峰もあり、変化に富んだ景観が形成されています。その山々の山腹から山麓にかけては冷涼な高原が広がり、湖沼や湿原なども多くみられます。また多くの温泉は公園の大きな魅力にもなっています。
山岳は登山やスキー、高原は夏の保養地として、自然の魅力を楽しむことができます。

・植物
本公園では、およそ標高1,500mまではブナなどの落葉広葉樹林が広がり、これ以上の標高の所はコメツガ、オオシラビソなどの亜高山帯針葉樹林が一般的に見られます。
異なる地形、冬の多雪などにより特徴的な植生を有する山が多くあります。

・動物
ほ乳類:ツキノワグマ、ニホンカモシカ、ニホンザル、ホンドリス、オコジョ、ヤマネなど
鳥類:イヌワシ、クマタカなどの猛禽類をはじめ、ホシガラス、イワツバメなど。
昆虫類では、ベニヒカゲなど希少な高山蝶が生息しています。

・その他
本公園は温泉が豊富で、古くからの温泉地が点在し、多くの文人墨客などに親しまれてきた歴史もあります。また昔から山岳信仰の場ともなっており、苗場山、谷川岳などでは登山・参拝が行われていました。夏にはみそぎを行う修験者の姿も見られます。さらに、近代登山の黎明期から、登山やスキーの利用があります。

詳細は↓
環境省_上信越高原国立公園
https://www.env.go.jp/park/joshinetsu/

IMG_4312'

2、2017年にみなかみユネスコエコパーク指定

東京都心から1時間ちょっとで訪れることができる距離にもかかわらずここには日本を代表する貴重な自然が数多く残されています。

みなかみ町では、昔から地域の大切な資源である豊かな自然とつきあいながら住民が暮らしてきました。人と自然が支え合い、ずっと続いていく地域となるために、2017年6月14日ユネスコエコパークへ登録となりました。

みなかみユネスコエコパークは群馬県の最北端に位置するみなかみ町を中心として、隣接する新潟県魚沼市、南魚沼市、湯沢町の一部から構成されています。総面積は91,368ha、その90%以上が森林となっており、標高約300~2,000mの間に位置しています。

このエリアは、日本を代表する大河川である利根川の最上流域に位置しており、東京都市圏の約8割、3,000万人の生命とくらしを支える水の最初の一滴を生み出しています。

みなかみユネスコエコパークの特色
群馬県と新潟県の境界の山稜一帯は、太平洋側と日本海側の大気がぶつかり合う中央分水嶺となっており、世界でも有数の豪雪地帯です。山岳地域では、急峻な岩壁や露岩地に加え、氾濫原、河岸段丘など特徴的な地形や、周氷河地形などの豪雪地特有の地形を形成しています。また、標高2,000mに満たない地域にもかかわらず氷河の痕跡も確認されています。
これらの特殊な地形・地質や、日本海側と太平洋側の気候条件の移行帯であることなどに起因し、多様で希少な動植物が育まれ、独特の生態系が見られるなどの特徴があります。

詳細は↓
みなかみユネスコエコパーク
https://www.town.minakami.gunma.jp/minakamibr/about/

DJI_20200612_071205_437_burst_1'
3、また目の前に広がる赤谷湖は昭和34年(1959)に竣工した相俣ダムによってできた湖であり、昨年2019年に60周年を迎えました。
ダム湖百選選定委員会により、以下の選定項目を総合評価し、地域に親しまれ、地域にとってかけがえなのないダム湖として選定されました。
1.好ましい景観
2.生態系への配慮
3.歴史的な価値
4.人と自然とのふれあい
5.上下流の交流
6.学習の場としての利用
7.地域の人々の関心
8.その他

ダム湖百選赤谷湖
http://www.wec.or.jp/library/100selection/content/akataniko.html

IMG_4317'

4、赤谷湖の北側には谷川連峰の複雑かつ特徴的な山並みがのぞいています。

 上越国境とは、文字どおり上州(群馬県)と越後(新潟県)を境とする山脈を指すもので、す。一般的には、上越国境といえば谷川連峰と受けとめられています。 谷川連峰は東、南、西、北、4つの面から形成されています。

 南面は、国境稜線上を西へ延びるオジカ沢ノ頭から、南西に分かれて連なる爼嵓(まないたぐら)、川棚ノ頭、小出俣山(おいずまたやま)、さらに東へ曲がって阿能川岳などに囲まれた谷川の流域である。東面ほど派手でなく、地勢もそれほど険しくはないが、幕岩や俎嵓の岩場は、その規模と大きさで登山者を圧倒する。
 谷川岳西面は、谷川連峰の最も西端にあり、赤谷(あかや)川の流域である。オジカ沢ノ頭から万太郎山、毛渡(けど)乗越、エビス大黒ノ頭、仙ノ倉山、平標山を経て三国山に至る山々に囲まれている。赤谷川は、谷川連峰中、最後の峡谷ともいわれ、この水域はこれまで完全な開拓をまぬがれ、今なお静寂のなかにある。そのため、深い渓谷と流水の美しさは、連峰中随一です。
 谷川連峰は標高2000m内外で、高さからいえば中級山岳だが、ハイキングや日帰り山行から、全装備を携行しての縦走登山まで、実にバラエティに富んだスタイルでの登山が可能な山域といえます。
 四季を通じて山行が可能で、スキーもできる。岩登りは難易度の異なる多数のルートがある。夏の沢登り、また紅葉期の観光、様々な目的をもった人々で賑わいます。

https://www.yamakei-online.com/yamanavi/yama_area.php?id=110

以上、猿ヶ京ホテル再発見その2「意外と景色は良いのは」でした。
次回
猿ヶ京ホテル再発見 その3 猿ヶ京の温泉のあなどれない効能(猿ヶ京温泉小史)